2011年12月21日水曜日

道場の作品

 V-netでは、おなじみの作文道場。もう数年やっていますが、一年ほど前から、国分寺カフェスローでも開いています。協力は「自然育児友の会」。今日はこちらの作文道場の作品を二点、紹介しましょう。  紹介するのは高学年の二人、小学5年のI君(ペンネームなし)と小学6年の伝出家りんさんです。
 二人とも古参のメンバーで、最近は特に私が指導しなくても、勝手にメモをつくり、原稿を仕上げて帰ります。以下に紹介する作文も、私がお題だけ決めて、後は二人が勝手に書いたものです。私が低学年の子どもの指導に回っている間、またたく間に仕上げてしまいました。構成メモに1時間。原稿にとりかかって1時間の作品です。お題は季節外れながら「怪談」。
 V-netの作文道場でも思いますが、やはり文章能力を上達させる上で、何より重要なメソッドは、まず定期的に書く習慣をつけること、これが第一なのかもしれません。
 
 では、早速I君の作品を紹介しましょう。I君は真冬でも半袖短パンの超元気なサッカー少年です。

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『こわくない怪談話』  I(小学5年)

こんにちは。Iです。今日は怪談話をします。二話あります。よく聞いてください。
 一話目。「消えた幽霊」
 野球の合宿で神奈川県に行きました。寝るとき、トイレで変な音がします。そこで、ある二人の子が、そのトイレに行ってみました。実は、そのトイレには、コーチから入るなと言われていました。けれど、気になるので、入ってしまいました。一つだけ、ドアに、「この中をのぞな」と書いてありました。でも、その二人はのぞいてしまいました。すると幽霊が何かをパクパクと食っていました。そして、こっちを向きました。二人はこわくなって逃げました。すると、幽霊があとを追いかけてきました。「見たな――」。二人は近くの墓場に逃げました。そして、かくれました。幽霊は二人をさがしました。その間に、二人は部屋にもどりました。お化けはそれを見つけました。でも、見つけたのが少しおくれたので、すぐ見失ってしまいました。でも、幽霊は二人が部屋に戻ったと考えました。二人は、もどった後、ふとんにもぐりこみました。それで、寝たふりをしました。幽霊がやってきました。そして、二人をさがしました。でも、幽霊は一瞬なやみました。しかし、汗をかいている二人が、さっきの二人だとわかってしまいました。
 翌日、二人は墓場で死んでいました。防犯カメラを見ると、幽霊は映っておらず、二人の少年がただ走っている映像しか映っていませんでした……

 皆さんは、今の話を聞いたことがあっただろうか。では、次の話にいこう。

 二話目。「はいなら一回、いいえなら二回」
 ある人が山登りに行きました。でも、山に登っている途中、吹雪にあいました。だから、もどろうとしましたが、すべって谷に落ちるかもしれないと思い、結局のぼることにしました。のぼっていると、小屋が一つ見えました。だから、泊めてもらおうと、近くに行き、「だれか、だれかいませんか」と言いました。けれど、返事がありません。そこで、もう一度、もう一度と、何回も聞きました。が、やっぱり返事がありません。仕方なく、「入りますよー」と言い、中に入りました。そうしたら、今まで眠くなかったのに、急に眠くなり、寝てしまいました。何時間たったでしょうか。何か変な音がするので、起きてしまいました。それは外から、誰かがドンドンとドアをたたいている音でした。「ここの人ですか?」。答えてくれません。「あなたもここにとまりたいのですか?」。答えてくれません。じゃあ、答えたくないなら、僕の質問に答えてください。はいなら一回、いいえなら二回、ドアを叩いてください」。「ドン」。「では、いきます。あなたは人間ですか?」。「ドンドン」。二回。いいえ。「あなたはここにとまりたいのですか?」。「ドンドン」。二回。いいえ。その後もどんどん質問に答えていきます。この人には、このドアの向こうにいるのはえたいの知れない物体であるであることがわかりました。「最後の質問です」。この人は思い切って聞いきました。「あなたは一人ですか?」……      「ドドドドドドドドドドドドッッッ」
 その後、その人は遺体で見つかりました。

  皆さんは、今の話を聞いたことがあっただろうか。もしも同じことが本当におこったら、ぼくに教えてくれたまえ。

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 次は、伝出家りんさんの作品です。幾つもの名作をものにしてきた彼女は、道場では「御大」「大先生」などと呼ばれています。作品によって文体まで使い分ける、彼女の最新作をお楽しみください。

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『怪談』 伝出家りん(小学6年)

 一、「夢の無限ループ」
 
 Yは夢を見るのが好きでした。
「今日はどんな夢が見れるかなぁ」
わくわくしながらふとんに入ります。……悪夢でした。居間のいすに座り母親がさめざめと泣いています。
「どうしたの?」
声をかけると母親が顔を上げます……。その顔には、目も鼻も口もない、のっぺらぼうなのです。
「きゃーっ」
自分の悲鳴で目が覚めます。母親がのぞきこんでいました。
「大丈夫?」
「うん」
ほっとする。そう思ったとたん、母親の顔がドロドロと溶けだします。母親が追いかけてきます。必死で逃げます。にげる……にげる……
 Yが再び目を開けることはありませんでした。

 二、「道」
 部活の帰り道、俺は人気のない細い道を歩いていた。すると目の前に、若い女の人が現れた。真冬だというのにノースリーブのワンピース。顔は下に向いていて泣いているようだ。
「どうしたんですか?」
声をかけると、ゆっくりと頭を上げる。顔がない。顔があるはずの場所にはポッカリと黒い穴があいているだけだ。
「私の……私の顔を返して……」
怖くてにげだした。家につき、ドアを閉める。
「どうした?」
祖父が俺に声をかけた。俺があったことを話すと、こう教えてくれた。あの道がある所には昔、大きな家が建っていたが、火事で焼けてしまった。生き残った娘も、顔に火傷をおい、病院の屋上から飛び下り、自殺した……。
 俺はその後、毎月に一回あの道に花を供えている。

 二つの怪談はどうだったでしょうか。世の中には不思議なことがたくさんあります。あなたの身に起こるのは、明日かもしれません。

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by 未田武史

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2011年11月26日土曜日

実習のレポート

陸上自衛隊広報センターの実習レポート。        笑羽バカ太郎



みなさんは陸上自衛隊広報センターなるものを知っているだろうか。それは東武東上線の和光市駅より徒歩15分の位置にあり、私はそこにいくことになったのだ。

午前9時ごろだったと思う。私は家を出て、その陸上自衛隊広報センターなるものに出かけた。用事があるらしく、池袋までは親がついてきたが、それからは一人だった。池袋から和光市までは特別快速か何かでいけるらしく、思っていたより早くつくことができた。そして、ここから私の小さな旅が始まるのである。まずは、駅前で陸上自衛隊広報センターという文字をさがさなくてはならない。地図は持っていたものの、その地図には駅前のパチンコ屋などはのっていなかったのである。しかし、いくらさがしても陸上自衛隊という文字はなかった。こうなったらしかたがない。駅前の持っている地図にのっているお店を探すしかない。いろいろな道をさがしているとパチンコ屋の横のかくれていた道を発見した。その道には地図にのっているコンビニがあった。なぜパチンコ屋はのっていなくてコンビニはのっているのかと言いたいところだが、それよりも正しい道を見つけられた喜びの方が上だった。その道を進んでいくと本当にこの道が正しかったということがわかってきた。地図のとおりに歩いていくと木があり、よく見えなかった、「ンター」という文字を発見した。そこだ、と思って行ってみるとそこは朝霞市総合センターだった。がっかりした。しかし、がっかりしていても陸上自衛隊広報センターにはたどりつけない。そして、とうとう陸上自衛隊広報センターにつくことができた。外からみるととても大きく見え、陸上自衛隊のすべてがわかります、といった感じだった。そして、中に入ってみると、はっきり言ってしょぼかった。陸上自衛隊のみなさん、怒らないでくださいね。ただシュミレーションゲームがこわれてしまっていたのでむきになっているだけですから。本当ですよ。実際、発見もたくさんあったのだ。なかでも一番は、戦車の大砲のつつの部分だけドイツ製で、そのほかは日本製だということだ。これはヘリコプター搭乗シュミレーターにならんでいるときに知った。いや、ならんでいたというよりもならんでもらっていたの方が適当かもしれない。そのヘリコプター搭乗シュミレーターというのは、大きな箱のようなものに入り、その箱がヘリコプターと同じような揺れ方をする、というものなのだが、これがなかなかおもしろいのである。その他にも3Dシアターというものもあった。これに関してはふつうと言ったらいいのだろうか。びみょうなところだった。そして、見学が終わり、コンビニでお弁当を買い、近くの公園でそのお弁当を食べようというところで、ある事件がおこった。私の、コンビニで一番高かったであろう焼肉弁当を自分でひっくり返してしまったのである。地面についていない部分を食べたのだが、なんだか草の味がしたような気がした。まあ、みんなのいろいろな弁当を食べることができたのでよかったのだが。

なんだかんだでいろいろあったが、楽し一日だった。次の週も今度は学校の友達と行くことになったが、そのときはシュミレーターゲームが直っていることを願って行きたいと思う。



※上の写真は、焼肉弁当転覆事故の現場。


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博物館実習の報告

10月、11月におこなった実習の報告をします。

まずは10月。

明治神宮にいきました。参加者は4人!!




地図にはのっていない御社殿の裏までみてまわりました。






11月。和光市にある陸上自衛隊広報センター。参加者10人。最多記録です!!








実物大の戦車やヘリコプターなど目の前でみることはなかなかできないものがたくさん!



実際に装備を体験できるコーナーもありました。
下の写真はいっしょに引率してくれた高校生。フル装備です。



その後、和光樹林公園でお昼ご飯。見仁子先生は、カップめんにお湯を入れて歩きながら食べていました。




11月になって参加者の数も増え盛り上がってきました博物館実習。受験期まっただなかですが、12月ももちろん実習おこないます。よろしくどうぞ!



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2011年11月6日日曜日

課題作文の報告

昨日の作文道場で、笑羽バカ太郎先生にも先日の課題をやってもらったので、それを記載します。

問題は、「ホッパーの二枚の絵(A『午前11時』B『オートマット』)をみて、それらの関係性について自由に書いてみよう。」です。


笑羽バカ太郎

絵Aは、絵Bの人の半日前の姿である。Aの絵のなかの女は全身タイツの会社につとめていて、試作品を着て一週間過ごすことになった。体が顔より白いのはそのためである。しかし、これが仕事のため会社に行くこともなくひまであった。今日の夜は、会社の人と会って試作品の効果などについて説明をすることになっているのだが、まだ時間があるのでひまで、仕方がなく下の道路で事故がおこらないか見ているのである。そして夜になったがいくら待っても現れない。そこでコーヒーを飲みながら、「そういえば昼過ぎの事故で救急車で運ばれた人、会社の人に似ていたな。」などと考えているのである。






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2011年10月30日日曜日

課題作文の報告

今週の課題作文の報告をおこないます。

今回は、「20世紀アメリカの画家ホッパーの2枚の絵(絵Aと絵B)をみて、それらの関係性について自由に書いてみよう」という問題です。

2枚の絵のタイトルは、Aが『午前11時』(1926年)、Bが『オートマット』(1927年)です。

それでは、今回参加された、市仁三太師匠、ハム太郎先生、桜ノ宮先生、見仁子先生の作文を順に載せます。



市仁三太師匠

上2枚の絵は、ホッパーが婚活したとき使用した絵で、Aは服を着ていないところから、しめつけられたくないことを表している。また、Bは一人で飲んでいるところから、孤独でさびしいことを表している。つまり、「孤独でさびしいので、私をしめつけない男の家に入らせて」と絵で伝えているのだ。また、なぜあえてしめつけられたくないのを裸で表したのかというと、スタイルがいいでしょ、と男をひきつけるためだ。現在は絵での作戦が成功し、彼氏が4人、そのうち一人とは結婚をしている。



ハム太郎先生

この2つの絵の女の人、二人の関係は、生き別れの姉妹である。この姉妹の母と父は二人が生まれてすぐ死んでしまい、近所の鈴木さんが姉を引き取って、おじいちゃんの秋本さんが妹を引き取った。姉は31歳で、離婚をしたばかり。カフェでコーヒーを飲んでいるように見えるが、実は中身は酒で、ハイボールを飲んでいる。ストレスがたまって、1日1.5リットル飲んでいる。そのため最近、体重が3㎏ふえたらしい。妹は30歳で、今だに恋人ができず、結婚できない。彼氏がほしいtめ、マンションの自分の部屋から(4階)ヌードで、かっこいい男がいたら手をふろうとしている。でも男の人達は気が付かないようだ。4階だから眼中には無いらしい。




桜ノ宮先生

2枚の絵に描かれている2人の女性は違う人物だ。絵Aにかかれている女性は、Aマンションの38階に住んでいる。絵Bにかかれている女性はBマンションの37階に住んでいる。2つめのマンションは隣り合っているため、絵Aの部屋からは絵Bの部屋を眺めることができる。絵Aの女性はある日、自分の夫が絵Bの女性と部屋で交際しているのを見かけた。最初の間は許せたが、あまりにも長く続くので、絵Aの女性は絵Bの女性をこらしめてやろうと考え、留守の間に部屋に侵入し、物を荒らすことを決めた。そのため、大切なものや金が置いてある場所を探すため、裸になって本気で観察しているのである。



見仁子先生

AはHH(ヘンタイハダカ)社で、BはFBI(フィッシュバトルイーマーノドアメ)である。時は今から大体ね、えっと忘れた。まあ、それでBの女がね、HH社にスパイとして入ったんだけどね。HH社は裸じゃないとだめだからねえ、Bの女がディズ〇ーランドにある一つのカフェで休んでいるところをAの女がのぞいている。作者はHH社でパキューン(エロい)なことをかいているため怒られそうな感じがしてたまらない。ちなみにOB(オバサン)はHH社に入ったという。めでたくないですねえ。



以上です。毎回最後10分程度で、それぞれの作文を音読するのですが、今回はいつも以上に爆笑爆笑でした。見仁子先生のおかげですね。




さて、
11月作文道場博物館実習では、
11月20日10時より、
和光市駅近くの陸上自衛隊広報センターを見学することにしました。

ぜひご参加ください。



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2011年10月19日水曜日

国語記述コース(by マッツ)

出版執筆が加速して、いよいよ作家と教師の両立が限界状態に近づいた夜、最も恐ろしい生徒たちとの授業があった。V-net国語記述コースである。

すでに音読法、作文術を身に付けて通常の子どもたちよりはるかに言語自在になりつつある生徒たちは、常に元気一杯でこの授業に参加する。私の仕事はさらに彼らの言語の活性化を引き起こすことである。それには自分の意見をどんどん言えるようにしなければならない。そして教師はその場を作ろうと段取りする。

まず、授業の初めに今日は何をやるか話し合う。

私が、「この前も言ったが、私はいい加減執筆活動が忙しいので、諸君さえ賛成すれば、いつでもこの授業を止めるはずなのに止めさせてもらえない。これ、そこの!早くそのおにぎりを食べ終わるように!だから今日は、生徒が私の執筆を助けることを遊びとしたい。今、『学校が子供に教えてくれない賢くなる方法』という本を書いているが、ズバリ、アタマが良くなることに関係があって学校が教えてくれないことは何か?」

この答えは非常に面白い。ハイッ、ハイッと手を挙げるものを指すと、

「それは自分たちでルールを考えることです。初めからルールがあることをするのではなく。」

「それはお金の儲け方です。最も大切なのはお金なのに、その儲け方を教えないのはおかしい。」

「できるものが自分からどんどん先へ行くことです。コンピューターの授業でクリックの練習だけで1時間なんてやってられません。」

「ものの覚え方、暗記のやり方です。」etc

もっと面白いのが、「もし将来自分の奥さんが自分より収入を増やしたらどうするか?」

「ハイ、仕事を辞めて家にいて家事とかします。」

「ということは、自分がもっと稼げばもっとリッチだから、さらにどんどん働いちゃう。」

「ぼくは1日4時間以上働かないことにします。働かないで好きなことをします。」

「それはもちろん奥さんにぼくの方へ回してもらっちゃいます。」

どんどん言葉を口に出す子どもたちはホントにオモロい。

このあと、音読遊びをやって休憩して、作文遊びをやって、中学入試問題の選択肢当てクイズ遊びをやって、盛り上がりっぱなし。今日もやったぜ3時間の子どもの頭の活性化。でも教師は疲れてフラフラで帰宅。当然書かずにすぐ寝ちゃう。

と思ったら、実はこれは先週の授業のこと。今日もうまたしても最も恐ろしい生徒たちとの授業がある。

今日は何して「遊ぼう」か?

*22日のリベラルアーツは、V-netが用意したテキストで『古事記』を読み進める予定。


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2011年9月15日木曜日

リベラルアーツ(by マッツ)

リベラルアーツは、岩波ジュニア新書で読み進めているが、やっぱり、その紹介的な文体がいまいちと感ぜざるを得ない。かといってアポロドーロス(岩波文庫)でもどこか舌足らずな印象を禁じ得ないから困る。でも、既に、神話にはその語られる状況、つまり、ディオニソス的状態が欠かせないから、物語以上に適当なことを盛り込むことが可能であると判断できる。

面白いことは結果であって、そもそもそれが印象に残る面白い話だったかは、その時の状況状態語り口による。だから、神話においては、各聖書以上に個人のイマジネーションに依存することが客観化される。

この認識を生徒と共有したいが、それはなかなか難しいことだと思う。

「覚醒した認識の傍観者」とは良く言った言葉で、気がつけば人は皆ボーッとしてしまう。餌の安定供給に甘んずる「家畜」になってしまう。ここであくまでも自己の内部に主体となるものを認識することが肝要であるが、それは瞑想的な状態を知らない者にはほぼ不可能なことであろう。

私たちの脳は快感を感じる。それは背骨の延長線でのことだ。

脳は、脊椎の延長線上にはみ出した神経組織である。

快感を実感しようとする時、私たちは背骨を伸ばす。

それは、快感が背骨の延長線上の脳内で発生する仕組みだからである。

瞑想とは、この快感の主体的追求に他ならない。

背筋を伸ばし、快感物質を脳に送り、それをさらに視床下部を経て大脳前頭葉に集中させる。

私たちは、脊椎の延長線上の脳に、下から快感物質を送り込んで、視床下部を刺激し、「目醒め」を得ようとする。いわば、意識的な「欠伸」とその先に見えるもの、そしてその「結果」が瞑想の目的である。

アタマが良くなるためには、この瞑想的な体験と情報が欠かせないことだろう。

次回リベラルアーツは17日であるが、ギリシア神話を粛々と読み進める予定。参加希望者は岩波文庫版(アポロドーロス版も用意されたい。


2011年9月11日日曜日

9月博物館実習
















みなさん、こんにちは。

本日9月11日におこなった博物館実習の報告をします。

参加者は、3名。小6O君、小5ハム太郎先生に加え、初参加小6Tっちゃんです。

実習場所は、お台場にある科学未来館!

プラネタリウムは満席で入れなかったため、常設展のみを見学しました。

月の模型(中秋の名月を意識しているようです。)や染色体の構造、脳の仕組み、実際の宇宙船などが展示されていました。



そして、
そのあと、近くの船の科学館へ。

タービン機関の仕組みなどを解説しつつ、

最上階のラジコン船で大盛り上がり。



最後に、フジテレビへ行きたかったのですが、ここで時間切れ。

近くのベンチで作文の抽象構成を終わらせて解散しました。





多人数での実習は今回が初でしたが、

やっぱり集団の方が盛り上がりますね。
途中何度も笑い死にそうになりました。

来月は、10月9日明治神宮の予定です!こうご期待!!






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2011年9月5日月曜日

理系作文

みなさんこんばんは!
今週の課題作文について報告します。

参加は、いつもの4人。見仁子先生、市仁三太師匠、桜宮先生、ハム太郎先生。
笑羽バカ太郎先生は不参加でした。

今回は理系作文と称して「電気回路」に関する問題を3題用意しました。

実は9月から課題作文は、理系作文、文系作文、物語作文、200字作文を順番にやっていくことにしました。

というのも、これにはわけが2つあって、

1つは抽象構成を自然とトレーニングさせること。

理系作文、文系作文は、毎回3題問題があるんです。

そのうちの3題目は150字程度の記述です。それを完成させるために、文章を書くいくつかのキーワードが出てきます。

そのキーワードを1題目、2題目で説明させ、理解させる。そうすると、1題目2題目をまとめるだけで、あっという間に3題目も完成!

という魂胆です。長い記述をいやがる見仁子先生だって俄然やる気になって完成させてくれます!

まあ要するに、松永メソッドのうちの一つ、抽象構成法をちゃんとやらせようということです。

そして、
2つ目は、想像力を鍛えるということ。

理系・文系作文しかり、物語作文しかり。

問題には、彼等が想像して答えを書く事ができるような仕掛け(いたずら心ともいうかも)があります。
(その真相は、今回の理系作文で解説します!)

想像力は文章を書くときとても重要です。

想像力、多視点からものをみるアタマがないとダイアローグもままなりません。

四角いアタマを丸くする?ちがいます。

四角いアタマを立体にするんです。(Nバッグに勝てたかな。)

今回は、抽象構成より、想像力重視にしました。


さて、それでは今回の理系作文の問題です。

(1)電気がつく回路はどれでしょう。
よくある理科の問題です。今回は、これが分かっていれば、3問目が分かると思います。

(2)アルミホイル、プラスチック、たまごのうち、電子レンジに入れたら一番おもろいのはどれか自由に想像して答えよう。
本当は、絶対やっちゃだめ。でも、想像する分には自由。みんな興奮して書いてました。
(ただ、作成者の怠慢。あんまり3問目のキーワード解説とはなりませんでした。精進します。)

(3)電線に止まった鳥が感電しないのはなんで?
さて、なぜでしょう。実は、飛び入り参加の小六私立受験生Mっちゃんは、抽象化された無駄の無い答えを書き上げていました。やはり受験生強し。


以上です。なかなか先生方は、大嫌いな理科問題もさくさく書いて、講評まですることができました。

いつも今回みたいな活性化した道場を目指して、さらにおもろい問題を考えていきます!




写真は、夏の焚火登山もの。
左から、見仁子先生、S先輩、ハム太郎先生。



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2011年9月3日土曜日

国語記述コース(by マッツ)

8月最後の授業で、生徒たちに、「以前から言っていた通り、音読も明治まで終了したことだし、二学期からは、個人指導に戻るためにこの授業を解散したいと思う」と言うと、「この授業はオモロいから止めるな」と猛反対されてしまった。教師としてはこの授業で力がつかないこともないので続けてもかまわないが、国語個人指導専門の私としては万全の学力をつけるために一対一で指導した方が良いと判断したのだ。しかし、どうやら私の集団授業も評価されて良かったと思うべきようである。

私の国語記述個人指導を受けたものは、たいていがその通う進学塾で成績がトップクラスになってしまう。私からすればまだまだ全然未熟に思われるのだが、世間の国語記述能力の一般水準があまりに低いので、相対的に成績が上位になってしまうのである。

約半年で塾のクラスで2位の成績になった生徒の話を聞くと、1クラス13名で授業が行われているそうであるが、これではまず力がつかない。なぜかというと、この人数では、生徒一人一人の解答を検討し、それがどう違うのかを熟考させて、正解答に導く物理的時間的余裕がないからである。実際生徒の答案を見ると、あっている場合でも×(不正解)になったり、不十分である場合でも◯(正解)になったりしている。しかし、これは致し方のないことである。私でも現在の4、5名相手の授業でやっとこさなのであるから、10名を超える生徒をまとめて面倒見なければならない塾の教師たちにはまともな指導はできないことだろう。おまけにほとんどの生徒は記述解答ができないから、ちょっとでもまともに書くと面倒くさいから◯にしてしまうのであろう。またできない生徒はどうすれば正解答案を導き出せるのか解説してもらえない。復習としての宿題は、先生の書いた正解答(これも不充分なものであることが多い)を暗記して来ることで、毎回そのテストがあると言うから、無意味なことこの上ない。でも、多人数を面倒見ろと言われれば、そうするしか仕方がないかもしれない。結局、塾の集団授業では、できる者は不完全な解答で良しとされ、できない者は答えの暗記を強いられるのであるから、全く力が伸びないことになる。つまり、通うことに意味がないことになるのである。でも、親たちも入試国語記述を教えられないレベルであることがほとんどであるから、塾の指導のどこがまずくてどこを補充すれば良いのかわからない場合が多い。結果的に、親に記述力があって、しかも時間に余裕がある子だけが充分な国語記述能力をつけることができるようになることになる。つまり、塾の力で国語記述ができるようになるのではないのである。

しっかりした国語記述能力がつく者は、普通子どもたち全体の1%未満であるので、そうではない者たちは、算数社会理科を猛勉強して一流校に受かろうとする。一流校の中でもトップクラスの学校は、国語の他に社会や理科も文章記述解答が主体なので、単に相対的な偏差値が高いだけの子どもには、合格が難しい。このようなタイプの子どもたちは、慶應や海城などの選択肢の多い学校や、芝など抜き出し問題が多い学校を受験する方が無難であろう。



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2011年8月23日火曜日

中学入試国語記述


22日、中学入試国語記述コースを行った。7月の休講、8月の盆休みなどで授業回数が少なかったので今週来週と月水連続して行う。

音読はついに最後の『ソクラテスの弁明』が終了し、おまけで『学問のすゝめ』も読んだ。

続いて22年の麻布中入試問題を用いて演習を行った。これは、牧場を脱走して自分が木に登れることを発見した牛が、その秘密が森の仲間にバレて英雄扱いされて戸惑うという話である。本文はいわば童話なので子どもにも読みやすいが、設問は相変わらずシャープで深みがあり、解答は容易くない。これをまあ普通の生徒たちが解くのであるから大変である。

たとえば、牧場脱走の場面で、牛は自分が「逃げた」のではなく「単に柵を破っただけ」ととらえているが、この違いを説明せよとの出題。

「逃げた」→嫌になったから

「柵を破った」→自分の意志で

ということになるが、「逃げるのだって意志ではないか」という反論が成り立つから、別の言い方を考えなければならない。また、「嫌になったから逃げた」とは書けない。「逃げた」を説明するのにその言葉は使えない。実際生徒たちの書いた答えを読むと、まあなんとか書けてはいても以上の点での不完全さに陥る。また逃げる時点で既に追われているわけでもない。だからたとえば、「逃げる」を「その場から離れる」と言い換えることができないと解答が書けない。「自分の意志で」はどうしようか。これは「自ら進んで」と言い換えることができるがそうなかなか思いつくことができるわけではない。一人一人の解答を呼んでコメントし何回か書き直しさせる。設問文の読み取りが弱いものは、理由を聞かれているのではないのに、癖で文末を「から」にしてしまったりする。こうしてたとえば、

<「逃げる」というのは、嫌になったからその場を離れるという意味、「柵を破った」は、自分から進んで外へ出ようとしたという意味の違い。>

という解答ができあがるが、これでもどうも「嫌になったから自分から進んで逃げたんじゃあないの」と反論されるからまずい。そこで、さらに抽象化を行う。「嫌になったから逃げる」とは、とどのつまり、「自ら進んで柵を破る」とどう違うのか。さんざん問いかけると、本日飛び入り参加の笑羽バカ太郎先生が、「積極的」という言葉を思いつく。ではその反対語は何かと問うと、「消極的」と答える。「逃げる」が消極的で、「柵を破る」が積極的とすれば答えが書けるのではないか、と示唆すると、

<「逃げる」は、嫌になったからその場から離れるという消極的な意味であるのに対して、「柵を破る」は自ら進んで外へ出ようとすると言う積極的な意味の違い。>

という解答を得るが、これはなかなか普通の子どもには大変である。

しかしこの授業に参加している子のほとんどは、V-net作文コースの出身なので、とにかくペンを取って何か書こうとするので頼もしい。とにかく書こうとする意志があるから授業が成立していると言える。

音読で日本語のリズムを体得し、自由作文で文を書くことが苦痛でなくなって、その上で国語記述解答の訓練ができる。それでも、生徒全員の答えを添削しつつ授業を進めるのは大変である。完全に指導できているとは言いがたい。世間一般の塾で国語の授業がまず成立するわけがないことが分る。正直私もギリギリのところでやっている感触である。個人の直接指導なら可能だが、それだと他のものとの切磋琢磨がなくて活性化エネルギーが不足する。どうするか迷うところである。

とりあえず音読は終了した。予定では9月以降、個人の直接授業に戻ることになっているが、どういう形を取るべきなのか、新しい発想が必要なようだ。

晴れて来た。これからハバネラの収穫をしてV-netに出る。8月に入って完全な休日が一日もない。新学期になったら先生は焚火に行くぞ!


2011年8月7日日曜日

江戸東京博物館実習


今日は、O君と両国の江戸東京博物館常設展に行きました!

社会の苦手なO君ですが、江戸時代の水路がどのようにできたのか、乗り物はそれぞれどの身分の人間が乗っていたのかなど積極的に展示物を調べていました。すばらしい!


その後、隅田川の大きさを直接感じに行って、ついでに浅草寺も見に行ってしまいました。

暑さのなか、汗ダラダラかきながら歩き回ったので、木陰の取り合いなど、無駄に体力を消耗する一悶着はありましたが、まあ江戸というものを肌で感じられたのでまあいいよね!ね!O君!



2011年8月6日土曜日

博物館実習パート2



一昨日、未田先生とT君と、上野の東京国立博物館、科学博物館実習へ行きました。

が、実は、先週の日曜日に小6、O君を連れて先に科学博物館へ行っていました!
ブログに書き忘れていました。すみません。

彼とは夏休み日曜日になると、都内の博物館をまわることにしています。そして、次の日に授業で、実習で「おもろかったこと、なるほどと思ったこと」について作文を書きます。

もともと作文道場に参加していたのですが、実際にモノをみてすぐ書くとなると、ぐんと書くスピード上がり、集中して一気に書き上げます!

やはり見てすぐ書く、というふうにするほうが、効率も良いし、書く内容もリアルで分かりやすいものですね。


今週の日曜日は、両国の江戸東京博物館を見学します!O君今週も作文がんばろう!



(※下の写真は、O君が鉱物からパワーをもらっているシーン)



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2011年8月5日金曜日

博物館めぐり

昨日は毎田先生と一緒に、道場生徒のT君を連れて、上野の博物館をめぐってきました。

まず最初に行ったのが、東京国立博物館。
特別展として、「空海と密教美術展」をやっていたので、まずはそれを観ることに。
間近で見る「仏像曼荼羅」は、やはりなかなかの迫力でした。
一つ一つの造形の細やかさ、あるいは四方から眺めることで感得される圧倒的な重厚感など、寺院で観るのとは違った感興を得られたものと思います。
仏像の一つ一つの指の形が持つ意味などを教えられたT君もそれなりに楽しんでくれたようです。

常設展では、縄文土器と弥生土器との違いを、写真では見てとれない質感とともに観察できたことが良かったと思います。
特に小学生のT君にとって、縄文後期・晩期の土器と、弥生式の土器の違いを予め自分の目で確認できたことは大きな財産になるはずです。
「縄目模様」があるか否か、といった表面的、言語的な理解ではよく分からない両者の違いも、現物における技術的、用途的違いを見れば、一目瞭然だったからです。

昼食の後は、T君の希望もあって、国立科学博物館に行きました。
残念ながら特別展の恐竜博はあまりの混雑ぶりに断念せざるをえませんでしたが、常設展だけでも十分楽しめました。
特にT君は地球館2階にある物理科学の体験コーナーが気に入ったようでした。力学応用の体験展示物にあれこれと挑戦していました。大人から見てたわいなく思えるものだったとしても、こうしたところからこそ子供の関心の芽というものは育っていくのでしょう。

科学博物館を出たころには、午後4時となっていました。午前10時に集合し、だいたい午後1時くらいに解散と踏んでいたので、かなりの時間オーバーとなりましたが、そのぶん充実した時間を過ごせたかと思います。
機会があれば、こうした企画も続行していきたいと思います。

未田





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2011年7月29日金曜日

サイコロ計算道場と焚火キャンプ

先週、今週と、V-netでは二つ、大きなイベントがあったので、ブログでも報告しておきます。

一つ目は先週の火曜日。
国分寺市教育委員会の主催で、「サイコロ計算道場」を行いました。
これは国分寺のNPO「自然育児友の会」の皆さんと共同で開催したものです。

参加した教師は、私・未田と毎田先生、山上先生の三人。
参加予定者の人数を、5~10人程度と事前に聞いていたため、この教師の数でも、ちょっと多すぎるかと最初は思っておりました。
ところが会場についてびっくり。
なんと名簿に記された児童の人数だけでも35人! 
書きもらしもあったようなので、実際にはもっと多くの児童が参加してくれたようです。

予想外の盛況ぶりに、教師たちは大わらわ。
小学校低学年から中学年の子供たちの熱気に押されっぱなしの二時間になりました。

特に低学年の女の子たちの熱気がすごかった。
誰が早く一番サイコロ計算を行えるかを、対戦形式で行ったところ、各グループのトップの多くが女子。最後に女子だけで対戦させてみれば、ケンカになるんじゃないかと思うほどの熱気をもって計算対決を行っておりました。

ともあれ、盛り上がって実によかった。
次回は8月30日。国分寺市ひかりプラザで行われますので、興味のある方は是非。


さて、二つ目のイベントは今週行われた、V-net恒例の焚火キャンプです。
今回は月曜、火曜と泊りがけで行われました。
場所は奥多摩町の百軒茶屋キャンプ場。
大丹波川の清流が流れるなかでの焚火は格別でした。

こちらでは中学生男子の勢いがすごかった。
川遊びでは服のままで泳ぎ出し、山登りでは我々教師を置いてどんどん頂上を目指します。
私も彼らにつられ、久しぶりに童心にかえって遊んでしまいました。
夜は流木を集めてきて、念願の暗闇の中での焚火。
滝の流れる音を聞きながらの焚火は最高でした。

こちらの次回の予定は未だ決定しておりませんが、勉強その他のことに疲れた学生諸子には、学年を問わず参加をお薦めします。

未田




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2011年7月24日日曜日

リベラルアーツー太陽信仰

23日のリベラルアーツは『クルアーン』最終回。
これまで、マホメットの思想における、ユダヤ教、キリスト教、ゾロアスター教の影響を見てきたが、今回はその総集として、「では、現在世界各地で起こる宗教的な対立を解決するにはどうしたら良いと思うか」という問いかけをして見た。
すると、学校の成績はまだまだだが、最近実はこの子は極めてアタマが良いのではないかと思えてきたM君が、「全てを統合する新たな宗教が生まれるか、誰もが宗教を信じなくなるかのどちらか」とスパッと答えた。
そこで、誰もが共通の関心を持つはずである地球環境保全についての京都議定書が米国によって蹴られたことで、イスラムとの共通の話題のテーブルにつく議論が反古にされて、その後テロの時代が来たことを述べ、さらにこのことについて生徒たちの意見を聞いていくと、「自然の背後に八百万の神を意識する神道はなかなか良いのではないか」とO君。
ではその神道の中心的神が何かというと、天照大神であり、これは大陸から渡ってきた新支配勢力が、おそらく天武天皇を中心にして、皇室がこの天照大神の子孫であることを『古事記』にまとめて権威付け、先住民支配を完成したものであるが、その源は明らかに先住民の太陽信仰であると述べると、エジプトのラーもインカのインティも太陽信仰がその基であることから、太陽信仰を新たな宗教とする可能性があるという議論になった。
ここで、地球とはいったいどこまでのことを言うのかという問いに対し、全員が「大気圏まで」と答えた。すると太陽はどこまでかというと、「太陽のエネルギーの影響が及ぶ太陽系まで」ということになり、私たちが太陽の中に住んでいるとも考えられることになった。私たちが住む地球が地球上の全ての生命は、全て太陽のエネルギーを基に生存活動しており、太陽を信仰することは極めて正着であるということになった。そして、これまで学んだ宗教が起こる以前の古代宗教は、そのほとんどが太陽信仰であることも確認された。
この後、ウパニシャッドを読んだが、ここでも太陽を崇めることの重要性が説かれていた。さらに、ウパニシャッドにおける死後の世界は月の世界であることも読んだ。最後に、ヤージュニャヴァルクヤ一仙の、他に対する愛情とは、実は自分に対する愛情によるものだと言う話を読んで終了した。
自分でいうのは何だが、私はこの授業を自分の若い時に受けたかった。あらかじめこれらのことについての考察があったら、どんなにか多くのことが分りやすくなっていたか想像できないほどである。連続的に参加する諸君が確実に発言力を高めていることを実感し、あらためてこの試みの正しさを確認できた。
次回は8月13日。古代宗教への関心が高まったので、テキストは『ギリシア神話』(岩波ジュニア新書)、『ギリシア神話』(岩波文庫)の二点とすることになった。新規参加者も歓迎する。
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2011年7月17日日曜日

小6のM君は大がつく奥手。あどけない顔が可愛らしい。

小5の春から隔週で音読と国語記述の指導を行ってきた。

例によって私の授業は、親御さんが一緒に受けているが、M君の場合はご両親が参加、3人が別々に一生懸命問題を解いて来る。

小学生の授業を親もともに受けるというスタイルは他では見られないやり方であろうが、親にとっては子どものどういうところが足りないかを直接見知り、またその解決方法を教師からこれまた直接聞くのであるから、効果は大きい。また、子どもにとっても、難しい私立中学の国語記述を、親も苦労したり間違ったりするのが分って、それを楽しんだり安心したりするので良い。

このやり方で半年以上授業を行うと、どの子もまずできるようになる。以前から繰り返し書いているが、国語記述は指導者と一対一で向き合ってやらないとまずできるようにはならない。ダイアローグのやり方、抽象構成の仕方は、たとえ添削してもらっても直接解説を受けなければまず納得できない。結果的に、親が子どもに直接教えることができるケースにのみ国語ができるようになることが明らかになってしまう。それをさらに効果的にするのが、親も一緒に授業を受けることである。

あまりに奥手でどうなることやらと心配していたM君は、6年になったころから国語の成績が安定し始め、通っている進学塾でのクラスも上がっているそうだ。しかし、この夏は朝から晩まで塾に通うことはせずに、できるだけ自分で勉強して夜だけ通うことにしたそうだ。まだあどけなさが残るM君が、一日中塾に行けばやがて疲れて成績が伸び悩むとご両親が判断したためである。もちろん私のアドバイスでもあるが。

*画像はインゲン

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2011年7月15日金曜日

国語記述ー山椒魚

水曜日の国語記述コースは、ただ一人の女の子がお休みなので男子ばかりになった。音読を進めるわけにはいかないので、どうしようかと尋ねたところ、またしても歌仙をやろうと言う。小6のT君が、最近お父さんのビールのおつまみの柿の種に凝っていると口にしたのを受けて、小5のS君の「カキのタネ カニが播いても サルが喰う」を発句にこれを行った。五七五はできてもどうも七七をつけるのが難しいらしい。

この後、今度は小5のT君のお勧めで百人一首音読を行った。日本の和歌はカタカムナ読みをするとそのままダイレクトに意味が読み取れる。一つ読んでは、各人にABCで点をつけてもらう。天智天皇の「秋の田の‥…」は全員がB、山部赤人の「田子の浦に‥…」は全員がAS君は他のものがBでも、恋に関する歌ではAばかりつけるのが面白かった。

次は、夏で暑いので、涼しい物を読もうと、井伏鱒二『山椒魚』。順番に少し音読してもらっては私が口頭で質問し答えを記述させる。「学校では本文中から抜いてくれば良いのに、先生の問題は自分で考えて書かなければならない物ばかり」と言うが、皆とにかく何らかの答えを熱心に書き、たまにそれがあっているとガッツポーズ。私が正解答を書いて示すと、「う〜んなるほど」と唸ってこれを言われなくとも紙に写す。「最後の部分を作家が死ぬ前に削った」と伝えると、「えっどうしてだろう?」と顔を見合わす。私としては、この作品の部分に不完全な文があることにも気づく。若いときの作品が有名になったのだなと感じる。ノーベル文学賞を受賞した大江健三郎氏が、「自分以前では井伏鱒二さんが受賞するべき作家だった」と言っていたことと、弟子で心中自殺した太宰治氏が死ぬ直前に「井伏氏は悪人」と書き残していることを伝えると、これにも微妙な反応が広がった。私は文学の世界を上辺だけでなく重層的に覗き込むことには子どもたちにとっても意味があると感じる。

それにしても3時間は長い。途中適宜に休みながら、最後に桐朋中過去問の大山椒魚が逃げる話を音読して、「次回これをやるので、ヒマがあれば問題をやってみて」と言い渡して終了した。

今日は途中で混乱もなく、その都度よく集中して最後までやることができた。授業になってきた手応えが大きい。

この授業は、私の少人数授業のあり方への実験と考察のためにも行われている。

集中が切れたらすぐ休むことが分っていると、子どもたちはかえって良く集中しようとする。何をやるかをその場で相談して決めると、積極的に取り組むことが多い。また遊びの要素で自分の気持ちを表現できるように設定してやると、思いのほか楽しく取り組む。また、取り組んでいる事柄に関して、さらに別の知識を説明しても良く聞いてくれる。たとえば、持統天皇の「春過ぎて••‥」の歌の時に奈良盆地と平城京藤原京の位置関係や天香具山の位置とか、田子の浦の場所とか、良く聞いてくれる。どれも当たり前と言っては当たり前であるが、子どもたちを惹き付ける指導法はまだまだ研究の余地があるようだ。

*写真はハバネラ

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2011年7月12日火曜日

「考える」力

昨日は平日にもかかわらず、三人の生徒と6時間、ほぼぶっ続けで国語の授業を行いました。


最初の生徒は、今年中学三年生、もうすぐ高校受験なのに、いまいち「目覚め」の遅いA君。
真面目に「ベンキョー」するのは「カッタルイ」というポーズをなかなか崩さないA君ですが、国語教科に関してはけっこう優秀。
昨日も他の生徒が読解に苦しむ国語現代文の難問を、スラスラと解いておりました。
模試などの結果も、悪くないようです。
そろそろ自分の能力を主体的に発揮する、「目覚め」が彼にも訪れてほしいものです。

二人目の生徒は、私立中学受験生のM君。
大手進学塾にも通っているM君は、少々お疲れのご様子。
塾で出される膨大な量の宿題に苦しんでいるようです。
勉強を単に「やらされている」という感覚を強く埋め込む、こうした塾の方針に私は大いに批判的です。主体的に「考える」習慣を子供から奪ってしまうような「ベンキョー」の教え方は、その子供の将来の思考力を奪うのみならず、受験勉強という狭い範囲で考えても必ずしもプラスではありません。特に柔軟な思考力が要求される国語教科では、そうです。
そこで昨日は、問題数は寡量でも、一つ一つの設問を丁寧に、徹底的に「考え」て答えを導き出す指導をM君には行いました。
一問に約30分くらいかけることもありましたが、そうやって考え抜かれて書かれた彼の記述解答は模範解答レベルのものでした。
こうした丁寧な思考の積み重ねがあってはじめて、国語能力の増強は図られるものと思います。

さて三人目の生徒は、再び高校受験生。
抽象語の多用された文章の読解に苦しんでいるH君です。
昨日はまず、ヘーゲルの原文を使った論説問題の文章を、一段ずつ丁寧に読解していく作業をおこないました。
最初の一段落目から意味の了解に苦しむH君。ヘーゲル自身の文章なのですから、当然と言えば当然です。
しかし元来、思考力において優秀なH君は、文章の後半になると、だんだんと私の解説に頼らずとも、自力で抽象語の意味を特定していきました。
もう少し練習が必要でしょうが、彼が難解な抽象文の読解を「得意」なものとする日も、それほど遠くはなさそうです。

以上の三人の授業を行ったわけですが、私自身も彼らの思考につきあって必死に「考え」た結果、ヘトヘトになりました。
いよいよ夏真っ盛り、という気候になってきましたが、暑さに負けず、「勉強」の中で一緒に「考える」習慣を身につけていこうね、A君、M君、H君!

by未田武史



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2011年7月10日日曜日

リベラルアーツ

9日のリベラルアーツでは、『コーラン(上)』の解説部分を読んだ。そこにはコーランの翻訳不能な音声要素についての記述があり、それは当時西アジアに存在した巫女的呪術性があることが示されていた。

すでに我々は、コーランがユダヤ教、キリスト教を踏まえたものであることは確認してきた。では、その呪術的文体はどこから来たのだろうか。

そこで、岩波文庫の解説ではどこか足りないと思ったので、7世紀にイスラム教が起こると急速に衰退したゾロアスター教の『アヴェスター』を読んでみた。ゾロアスター教は3500年の歴史がある宗教であり、その成立はモーセ以前であり、ペルシア帝国の宗教であった。宇宙創造の絶対神であるアフラー•マズダを中心に、善悪の対立と克服を教えるこの宗教は「拝火教」としての呪術的な側面も大きかった。『アヴェスター』は、アフラー•マズダを讃え、やがてゾロアスターにそれが乗り移る形を取る。これは言うまでもなく、アッラーとマホメットとの関係と相似である。

こうして見ると、イスラム教は、西アジアにおける先行する古代宗教の要素を統合してできたものであることが分る。このことからも、マホメットが文盲であったとはまず考えられないことである。

さて、メソポタミアを中心とした西アジア地域は、繰り返し戦乱状態にあった地域である。そして、絶えず水不足に苦しんだ地域である。ほとんどが砂漠かスッテプ地帯であり、木が生えているところは極めて少ない。これは、日本と全く逆の状態である。日本国内に外国の軍が上陸侵入したのは、第二次世界大戦の米軍が初めてであり、しかも沖縄以外はほとんど戦闘らしきものが行われた形跡はない。しかも日本は、水が豊富でそこら中に森林がある環境である。世界でもまれに見る平和で安全でしかも水に恵まれた国、しかも気候的に温暖で200年以上も鎖国しても全く問題がなかった国である。この西アジアとは似ても似つかない歴史的環境的土壌の日本には、一神教は存在しなかった。アマゾン原住民同様、自然の背後に多くの精霊(八百万の神)が存在すると言う宗教観であった。

この上で、2003年の東京大学の国語入試問題を読んだ。これは、日本人が祟りの思想の文化下にあることを示し、戦没者の遺骨収集が今も続くことを解説した文章である。そもそも平和で自然に恵まれた国なので、地域や国のために命を落としたものに対して、生き残って幸福に暮らす者たちに「負い目」、そして祟りを怖れる思想があることを示したものである。

私は驚いた。これまでリベラルアーツに出席し続けた者は、このぐらいの文章なら平気で読解できてしまうのである(生徒は中1〜高2)。このことから逆に、私は我が国の公教育における国語教育の欠陥が透けて見えたような気もした。本当の国語力をつけるには、大人の思想の基となった書物を読み、それについて議論することが欠かせないのだ。一部の私立校でのみ可能なこの教育法を公教育が行うことは不可能に近いことなのかもしれないが、つまらない教科書の読解練習よりも、我が国古典文のしっかりとした音読を行い、作文法を教え、その上で世界の宗教書のダイジェスト版を読ませて議論させることは多くの学校が取り入れても良いことだと思わざるを得ない。

次回リベラルアーツは『コーラン(下)』を用いるので、よろしく準備して参加して欲しい。

*写真はトウガラシ

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2011年7月8日金曜日

生徒たちとの対話

国語記述コースでの生徒たちとの会話。

「たとえば音読で、前にやったことがあることを少し時間が経ってからやると、前と変わらずできる生徒とボロボロな生徒がいるがこれはどうしてかと思うか?」

それは一発で体得する能力がないからです。

「では、一発で体得できない生徒はどうすれば良いのか?」

ある時ヒマな時にまるで歌を歌うように口ずさむと良いと思います。

「つまり、一発で体得できない時には、何らかの復習が必要ということかな。でも、どうしたら個々の人がその方法を思いつくことができるのか?」

ぼくは、一発で体得できるようにすることと、どうすれば体得できるのかを考えることの両方をするのが正解だと思う。

ぼくは一発で体得する能力も、またどうしたらそれを解決できるかも思いつかない。

「自転車は一度乗れるようになるとどうしていつまでもそれを忘れないのであろうか?」

言わんとすることがどれぐらい伝わっただろうか。

この後音読の復習を行い、森鴎外『舞姫』を解説音読した。

*写真は、鳥に食べられないように糸を張って三度目にして発芽生長したエダマメ。

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