水曜日の国語記述コースは、ただ一人の女の子がお休みなので男子ばかりになった。音読を進めるわけにはいかないので、どうしようかと尋ねたところ、またしても歌仙をやろうと言う。小6のT君が、最近お父さんのビールのおつまみの柿の種に凝っていると口にしたのを受けて、小5のS君の「カキのタネ カニが播いても サルが喰う」を発句にこれを行った。五七五はできてもどうも七七をつけるのが難しいらしい。
この後、今度は小5のT君のお勧めで百人一首音読を行った。日本の和歌はカタカムナ読みをするとそのままダイレクトに意味が読み取れる。一つ読んでは、各人にABCで点をつけてもらう。天智天皇の「秋の田の‥…」は全員がB、山部赤人の「田子の浦に‥…」は全員がA、S君は他のものがBでも、恋に関する歌ではAばかりつけるのが面白かった。
次は、夏で暑いので、涼しい物を読もうと、井伏鱒二『山椒魚』。順番に少し音読してもらっては私が口頭で質問し答えを記述させる。「学校では本文中から抜いてくれば良いのに、先生の問題は自分で考えて書かなければならない物ばかり」と言うが、皆とにかく何らかの答えを熱心に書き、たまにそれがあっているとガッツポーズ。私が正解答を書いて示すと、「う〜んなるほど」と唸ってこれを言われなくとも紙に写す。「最後の部分を作家が死ぬ前に削った」と伝えると、「えっどうしてだろう?」と顔を見合わす。私としては、この作品の部分に不完全な文があることにも気づく。若いときの作品が有名になったのだなと感じる。ノーベル文学賞を受賞した大江健三郎氏が、「自分以前では井伏鱒二さんが受賞するべき作家だった」と言っていたことと、弟子で心中自殺した太宰治氏が死ぬ直前に「井伏氏は悪人」と書き残していることを伝えると、これにも微妙な反応が広がった。私は文学の世界を上辺だけでなく重層的に覗き込むことには子どもたちにとっても意味があると感じる。
それにしても3時間は長い。途中適宜に休みながら、最後に桐朋中過去問の大山椒魚が逃げる話を音読して、「次回これをやるので、ヒマがあれば問題をやってみて」と言い渡して終了した。
今日は途中で混乱もなく、その都度よく集中して最後までやることができた。授業になってきた手応えが大きい。
この授業は、私の少人数授業のあり方への実験と考察のためにも行われている。
集中が切れたらすぐ休むことが分っていると、子どもたちはかえって良く集中しようとする。何をやるかをその場で相談して決めると、積極的に取り組むことが多い。また遊びの要素で自分の気持ちを表現できるように設定してやると、思いのほか楽しく取り組む。また、取り組んでいる事柄に関して、さらに別の知識を説明しても良く聞いてくれる。たとえば、持統天皇の「春過ぎて••‥」の歌の時に奈良盆地と平城京藤原京の位置関係や天香具山の位置とか、田子の浦の場所とか、良く聞いてくれる。どれも当たり前と言っては当たり前であるが、子どもたちを惹き付ける指導法はまだまだ研究の余地があるようだ。
*写真はハバネラ
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